少年サッカーの試合会場に行くと、コート脇からたくさんの声が飛んでいます。「イケー」くらいならまだしも、「打て」「パス出せ」「取りに行け」など、プレーの中身にまで踏み込んだ指示を出す保護者の方をよく見かけます。
先に断っておきたいのですが、これは「絶対にこうするべき」という正解の話ではありません。試合中の関わり方についてのルールは、チームや少年団によって考え方が異なりますし、あるチームでは普通のことが、別のチームではNGということも普通にあります。ですのでこれは、100人以上の子どもたちを指導し、いろいろな成長の仕方を見てきた立場からの、一つのアドバイスとして読んでいただければと思います。
試合中は、黙って見守ってあげてください
私が保護者の方に一番お伝えしたいのは、試合中は黙って見守ってあげてほしい、ということです。
自分の子どもに活躍してほしい、所属しているチームに勝ってほしいと思うのは、親として自然な気持ちです。それ自体は何も悪いことではありません。ただ、サッカーはチームスポーツである以上、そのチームには決まり事があり、コーチには「ここでこういう経験をさせたい」という意図があります。良いコーチであればあるほど、目の前の一試合に勝つこと以外のことまで想定して、その試合に臨んでいます。
そこに保護者からの具体的な指示が入ると、子どもはコーチの意図と親の指示との間で板挟みになってしまいます。何より、「打て」「パスしろ」と逐一言われる環境では、子ども自身が状況を見て判断する機会そのものが失われてしまいます。プレー中に何を選ぶかを自分で考える経験こそが、子どもを成長させます。気持ちをぐっとこらえて見守ることが、試合中の一番のサポートだと私は考えています。
試合後の会話で、話す内容は自由です
一方で、試合が終わった後にどんな話をするかは、基本的に自由です。
サッカーをやったことのない親にサッカーの話をされたくない、という子どももいれば、たくさん話を聞いてほしいという子どももいます。これはご家庭やお子さんの性格によって全く違うので、それぞれのお子さんに合わせてあげてください。
ただし、絶対に避けてほしいことが一つだけあります
試合後の会話で、これだけは避けてほしいということが一つあります。それは、他の子どもの話をすることです。
- 勝った試合で「〇〇くんは活躍してたね」と言えば、子どもは自分ではなく誰かが褒められたと感じます。
- 負けた試合で「〇〇くんのミスのせいで」と言えば、誰かのせいで負けたという感情が生まれます。
- 試合に出られなかった子は、出場した子と比べられるだけで劣等感を抱きます。
これらに共通しているのは、気持ちの矢印が自分ではなく他人に向いてしまうということです。この「矢印が他人に向く感情」こそが、子どもの成長にとって一番の妨げになります。試合の結果がどうであれ、ご家庭では自分のお子さん自身の話だけをしてあげてください。

まとめ
- 試合中は、具体的な指示を出さずに黙って見守る
- 試合後、何を話すかは自由。ただし他の子どもの話は避け、自分の子の話だけをする
どちらも根っこにあるのは同じことです。子どもの意識の矢印を、他人ではなく自分自身の成長に向けてあげること。それが、保護者にできる一番のサポートだと思います。










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