サッカーの判断力はどう育てる?正解を教えるより「ミスの原因」を探すのがコーチの仕事

「判断力を鍛えたいけれど、どう練習すればいいのか分からない」

指導者の方から、こんな悩みをよく聞きます。結論から言うと、判断力を鍛えることは非常に難しいです。

この記事では、メニューの紹介ではなく、判断力を育てるときにコーチが持っておきたい考え方をお伝えします。

① 「正しい判断」はチームによって変わる

判断力を鍛えるのが難しい一番の理由は、正しいとされるプレーが、チームの監督の考え方によって変わるからです。

同じ場面でも、ある監督は「ドリブルで仕掛けろ」と言い、別の監督は「ワンタッチで繋げ」と言います。どちらが間違いということではありません。

つまり判断とは、チームで共通の判断基準を持って、はじめて成り立つものです。

② 大切なのは「何を選んだか」ではなく「何が選択肢にあったか」

個人の育成に重きを置く育成年代では、コーチや監督が正しいと感じる判断ができるようになることよりも、もっと大切なことがあります。

それは、選手がプレー中に何を考え、どこが見えていたのかを理解してあげることです。

「なぜそっちを選んだのか」を問い詰めるのではなく、「何が選択肢にあったのか」を考えてあげる。選んだ結果だけを見ていては、選手のなかで何が起きていたのかは分かりません。

③ 「見えていない」には原因がある

もし選手が何も見えないまま、見えたところにプレーしているなら、その原因はコーチの側で考えてあげる必要があります。

たとえば、こんなケースです。

  • コントロールに自信がなくて顔が下がっている → 顔が上がらないので周りが見えません。必要なのは、コントロールのトレーニングです。
  • 左足が使えないことで、右ばかり見てしまう → 左側が選択肢に入りません。必要なのは、左足のトレーニングです。

同じ「見えていない」という事象でも、原因が違えば、やるべきトレーニングも違います。

ここで大切なのは、原因を指摘することではありません。原因を排除してあげるトレーニングをすること。これが、現場のコーチの最大の役目だと私は考えています。

④ コーチは「医者」になろう

コーチの皆さんは、自分が医者だと思ってみてください。

同じ熱が出たとしても、風邪なのか、インフルエンザなのか、胃腸炎なのか、はたまたもっと別の大きな病気なのか、原因はさまざまです。

熱が出た(ミスをした)ときに、具体的な原因を出さずに、何でもかんでも解熱剤だけを渡しても、根本的な解決にはなりませんよね。また熱が出てしまいます。

だから現場のコーチは、ミスの原因を突き止めて、それを解決するためのトレーニングをしてあげることが大切です。そうすれば、ミスを指摘するだけのコーチからは卒業できると思います。

⑤ この記事で具体的なメニューを書かない理由

ここでは、具体的なトレーニングメニューは書きません。

理由は、人それぞれの原因が分からないからです。原因が分からないまま「この練習をすれば判断力が上がります」と書くのは、診察せずに薬を渡すのと同じです。

目の前の選手を見て、何が見えていて、何が見えていなかったのか。そこから原因を考える。この順番を大切にしてください。

まとめ

  • 正しい判断は、チームの考え方によって変わる
  • 判断とは、チームで共通の判断基準を持って成り立つもの
  • 育成年代では、正解の判断をさせるより、選手が何を考え、どこが見えていたかを理解する
  • 「何を選んだか」ではなく「何が選択肢にあったか」を見る
  • 見えていない原因は人それぞれ。指摘ではなく、原因を排除するトレーニングをする
  • コーチは医者。熱(ミス)に解熱剤だけでは、また熱が出る

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よくある質問

Q. サッカーの判断力は、どうすれば鍛えられますか?

A. 判断力を鍛えるには、チームで共通の判断基準を持つことが前提です。そのうえで育成年代では、正解の判断ができることよりも、選手がプレー中に何を考え、どこが見えていたのかを理解することが大切です。見えていない原因を見つけ、その原因を取り除くトレーニングをすることが、判断力を育てる近道になります。

Q. 選手が判断ミスをしたとき、コーチは何を見ればいいですか?

A. 「何を選んだか」ではなく「何が選択肢にあったか」を見てください。選んだプレーだけを指摘しても、選手のなかで何が起きていたのかは分かりません。何が見えていて、何が見えていなかったのかを理解したうえで、その原因を考えます。

Q. 同じ「見えていない」でも、なぜ対応が変わるのですか?

A. 原因が選手ごとに違うからです。たとえばコントロールに自信がなくて顔が下がっているならコントロールのトレーニングが、左足が使えず右ばかり見ているなら左足のトレーニングが必要です。熱が出たとき、風邪かインフルエンザかで治療が変わるのと同じです。

Marvez

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